2008年8月2日土曜日

米・パキスタン関係 (ワシントン・ポスト紙社説)

2008年8月2日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”A Strategy for Pakistan”

【概要】
米・パキスタン関係に生じうる最悪の出来事は、パキスタン部族地域に発するアル・カーイダによる大規模の米国攻撃が再度発生することである。これは、恐ろしいほど現実味のある可能性である。よって、米国が、パキスタンの文民政府を強化し、パキスタン軍を訓練し、部族地域における包括的な反テロ戦略を支援しつつ、引き続き、パキスタン国内のアル・カーイダを捜索し、攻撃を行うことは、パキスタンの国益でもある。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/01/AR2008080102880.html

2008年8月1日金曜日

中東和平努力継続を (WP紙社説)

2008年8月1日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Transition in Israel”

【概要】
1.オルメルト・イスラエル首相が年内の辞任を発表した。次期米国大統領は、難航する中東和平と新しいイスラエル指導者とに直面することになろう。

2.次期米国大統領にとって、イスラエル・パレスチナ関係の外交は最優先事項ではないかもしれない。

3.様々な憶測はあるものの、来年イスラエルがイランの核施設を爆撃する可能性は小さい。

4.ハマス、及び、シリア、イランにいるハマス支援者は、次期米国大統領を試す機会をうかがっている可能性が高く、それはイスラエルに対する攻撃という形をとるかもしれない。

5.和平プロセスが機能していること、及び、和平プロセスが機能していることに伴う希望が存在することが、アッバース大統領の穏健派パレスチナ政権を存続する上で必須であり、そのことは、アラブ諸国と米国との関係を円滑化させる上でも必須である。

6.よって、次期米大統領が中東和平の優先順位を置かないのは、危険であろう。

7.オルメルト首相が開始した和平プロセスは、同首相が離任した後も継続する必要がある。たとえ、そのためには次期米大統領が圧力を加える必要があるとしても。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/01/AR2008080100015_pf.html

ダルフール情勢 (WSJ紙コラム)

2008年7月29日付 ウォール・ストリート・ジャーナル紙 コラム ”Mercenaries for Darfur” (ウィリアム・マックガーン・コラムニスト)

【概要】
1.エリック・プリンス・ブラックウォーター社社長によると、250人程度のプロを同社から派遣すれば、アフリカ連盟の兵士約千名を、選りすぐりの高度な機動力を有する部隊に変えることが可能である。同社長によれば、費用は、AU・UN合同軍に支払う金額よりも安価である。

2.プリンス・ブラックウォーター社長によると、この構想では、ブラックウォーター社は戦闘に従事しない。同社社員は、顧問、機械工、パイロットに従事する。また、同社長は、説明責任を確保するため、米国は、ブラックウォーター社社員を監視するとともにリエゾンの役目を果たすため25名の軍人を派遣することができるだろう、と述べた。

(出典は⇒http://online.wsj.com/article/SB121728728103991373.html?mod=todays_columnists

2008年7月31日木曜日

在イラク米軍撤退期限設定反対 (WP紙キッシンジャー国務長官Op-ed)

2008年7月31日付 ワシントン・ポスト紙 キッシンジャー元国務長官 Op-ed ”New Premises in Iraq”

【概要】
1.米国の敗北が過激派イスラム勢力のためであると見えてしまうことがあれば、それは、イラク地域を越えて非常に広い地域を大きく不安定化する結果となろう。したがって、イラクから、いつ、どのように去るかという問題は、新米大統領の主要な決断事項となろう。

2.現在イラクに駐留する米軍の中から、戦略予備部隊を創設することができる。

3.公式な平和的解決を作り出すための外交国際会議が開催されるべきである。そのような会議は、2年前に外相レベルで開催された。同会議を再度召集し、同会議の目的は、イラクの国際的地位を取り決め、同取り決めの履行を保障することであるべきである。

4.米軍撤退期限を設定すれば、イラクに関して希望に満ちた将来展望を確実に損なうことになる。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/30/AR2008073002947.html?hpid=opinionsbox1

ダルフール情勢 (IHT紙Op-ed)

2008年7月30日付 インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙 Op-ed ”Peacekeeping on the cheap” (サリム・サリム(前アフリカ連合ダルフール問題担当特使)

【概要】
1.国連・AU合同ミッション(UNAMID)は、安く仕立てられて、大失敗の結果となった平和維持軍の一例である。

2.真の和平プロセスを進めることが長期的な解決策であることは誰の目にも明らかである。UNAMIDはその努力のために積み上げるブロックになることが可能であり、そうなるべきだ。

3.UNAMIDが十分なリソースに欠いている原因の大部分は、単に国際的なコミットメントに欠けていることである。

4.7月31日に発表される報告書は、「アフガニスタン、イラクといった他の危機のためにダルフールに送るための十分なヘリコプターの準備がない」旨の神話が誤りであり、多くの国がUNAMIDの求める型のヘリコプターを有していることを示している。

5.もし国際社会がダルフールの文民保護に真剣であるのであれば、UNAMIDが緊急に必要としているものを供給することから始めることが可能であろう。

(出典は⇒http://www.iht.com/articles/2008/07/29/opinion/edsalim.php

2008年7月30日水曜日

米の対アフガニスタン政策 (NYTコラム)

2008年7月30日付 ニューヨーク・タイムズ紙 ”Drilling in Afghanistan” トーマス・フリードマ・コラムニスト・コラム

【一言でいうと】
 民主党、とりわけオバマ大統領候補は、アフガニスタンでの戦争の重要性と、同地への追加的兵力投入を主張するが、それは、大統領選挙のための言説であって、勝利するための戦略ではないのではないか、という内容。

【概要】
1.まっとうでコンセンサスによって作られた政権をイラクやアフガニスタンやパキスタンにつくることのほうが、オサマ・ビン・ラーデンを殺害することよりも、テロとの闘いへの有意義で恒久的な貢献という点では、ずっと重要である。

2.我々がアフガニスタンで敗北している主たる理由は、米軍の数が少なすぎるからではなく、我々が望んでいるような型の(すなわち、まっとうでコンセンサスによって作られた)アフガニスタン政府のために闘い、同政府のために死ぬ覚悟のあるアフガニスタン人が、十分な数いないことにある。

3.民主党員は、標語のようにして「アフガニスタンにより多くの派兵を!」と言う前に、それが選挙に勝つための戦略になってしまってはおらず、戦争に勝つための戦略になっているかどうかを確かめなければならない。

2008年7月29日火曜日

ジンバブエ情勢 (WP紙社説)

2008年7月29日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Zimbabwe's Talks”

【概要】
1.7月28日、ジンバブエ政府と野党勢力との交渉が停止した。

2.仮に同交渉が再開した場合、ジンバブエにおける政治交渉の結果のうち唯一受け入れられる結果は、ムガベ現大統領が辞任し、ムガベ大統領を支持する犯罪者の連中が解任され、新たに民主的な選挙を実施することである。

3.ムガベ大統領が辞任するまでは、ムガベ政権を罰し、孤立化させる措置は継続すべきである。

4.交渉停止が継続する場合、あるいは、予定されていた2週間の交渉期間中に結果が出ない場合には、米国は安保理での議論を再開すべきである。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/28/AR2008072802474.html

2008年7月28日月曜日

イラク情勢 (WP紙Op-ed)

2008年7月27日付 ワシントン・ポスト紙 イグナチウス・コラムニスト・コラム”A History For Iraqis To Write”

【概要】
1.近代のイラクは、外国軍隊による占領に対する嫌悪によって築かれた。

2.イラク政府が米軍の撤退予定時期の設定を求めたが、ブッシュ政権はこの好機をつかまえて勝利を宣言、あるいはより正確に言えば、必要とされる最小限の成功、を宣言すべきである。

3.イラク政府が米軍の撤退予定時期の設定を求めたことは、オバマ候補にとって間違いなく好機であるが、誰にとってもよいことである。そして、とりわけイラクにとって良いことである。イラクは、自らの歴史を再び記し始めることができるからである。

ジンバブエ情勢 (NYT紙分析記事)

2008年7月27日付 ニューヨーク・タイムズ紙 分析記事 ”In Zimbabwe Talks, Who Will Get the Real Power?”

【概要】
1.ムガベ・ジンバブエ大統領と、ツバンギライ野党党首との間の権力共有に関する交渉が南アフリカで開始した。

2.同交渉が失敗すれば、ジンバブエ経済が内部崩壊し、数百万人の人々が出国して隣国に避難することになり、それが地域を不安定化させることになるかもしれない。

3.ムガベ大統領とその仲間を権力の地位につけたままにする解決を行うとすれば、それは、アフリカの民主主義を信奉する人々にとって打撃となるであろう。

4.ジンバブエの暴力にまみれた選挙の際に見られた目を見張る変化の一つは、ザンビアとボツワナが、沈黙を破ってジンバブエ与党の行った人権侵害について声をあげたことである。そして、両国の発言は、仲裁活動を行い「静かな外交」を追求する南アフリカにとって大きな挑戦となった。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/27/world/africa/27zimbabwe.html?_r=1&scp=1&sq=In%20Zimbabwe%20Talks,%20Who&st=cse&oref=slogin

2008年7月27日日曜日

国際刑事裁判所とスーダン (NYT紙記事)

2008年7月27日付 ニューヨーク・タイムズ紙記事 ”Waiting for Justice” (ヘレン・クーバー記者)

【概要】
1.戦争犯罪による起訴が有用な点の一つは、正義を守ることにある、というよりは、当該国の戦後の行動を形成する上で役立つ手段となる点にある。すなわち、新しい指導者は、外部世界と再度つながりをもつ方策を必要としており、それに役立つ。セルビアのカラディッチ容疑者の逮捕の件で言えば、セルビアの新指導者は、セルビアが欧州から再び良い評価を獲得する上で、カラディッチ容疑者の逮捕を利用することが(野放しにしておくことよりも)有用であると考えたのである。

2.国際刑事裁判所への起訴は、リベリアのテイラー容疑者(元大統領)の計算を変えることはなかった。しかし、それでもリベリアが平和への道を歩む上では役立った。

3.バス(Bass)プリンストン大学教授によると、同教授は、紛争の最中に戦争犯罪で起訴をすることが常に良いことであるか否かについては確信をもてないが、時として、起訴することによって、当該国の野党を勇気付け、独裁者の支配をより弱体化させることがある、と考えている。起訴がなされることによって、国内の政治的反対者は、独裁者を放擲するのは今であるかもしれない、と知らされることになる、という。また、同教授は、起訴することによって、いかなる問題が起きるにせよ、正義がなされることに価値はある、と述べた。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/27/weekinreview/27cooper.html?scp=1&sq=Waiting%20for%20Justice&st=cse

オリンピック国際委員会とイラク (WP紙社説)

2008年7月26日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Banished From Beijing”

コメント ⇒ 内容は、オリンピック国際委員会(IOC)批判。

【概要】
1.2000年に、サダム・フセイン・イラク元大統領の息子がイラク・オリンピック委員会の代表であったとき、国際オリンピック委員会はこれを許容した。

2.(それなのに)国際オリンピック委員会が、今年、「オリンピック運動に対する政治的介入」を理由に、イラク・オリンピック委員会のメンバー7名に対して今年のオリンピック競技大会に参加することを禁止したのはおかしい。

3.オリンピック国際委員会の行動は、規則に則ったものではあるが、これまで常に規則に厳格にしたがっていたわけではない。オリンピック国際委員会が、ジンバブエやビルマ(ママ)、キューバや北朝鮮、それにスーダンに対してオリンピックへの参加を許可しておきながら、サダム・フセイン体制に代わって民主的手段で選出されたイラク政府に制裁することを選んだのは、国際オリンピック委員会がどのような価値観を有しているかを大変よく物語る事実である。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/25/AR2008072502569.html

2008年7月26日土曜日

マケイン共和党大統領候補の外交政策 (NYT紙記事)

2008年7月26日付 ニューヨーク・タイムズ紙記事 ”Bush and McCain Seem to Diverge in Foreign Policy” (ブミラー記者←ライス国務長官の伝記を出版した記者です。)

【概要】
1.共和党の、外交を専門とする代表的な連邦議員の話によると、ブッシュ政権がイラク駐留米軍の駐留期間を検討することに合意したことは、ブッシュ政権がオバマ候補の政策に近づいたと見なされることになり、米軍撤退時期の設定に原則反対しているマケイン候補は、ブッシュ政権のこの動きによって防御的な姿勢をとらされることになった。

2.ブッシュ政権がイランや北朝鮮と高級レベルで会談することを許可したこともまた、このような関与に懐疑的なマケイン候補はブッシュ大統領よりも保守的である、との見方を生むことになった。

3.マケイン候補には、ブッシュ政権で凋落したネオコンの思考の影響が引き続き見られる。

4.外交現実主義者と呼ばれる共和党議員の中には、マケイン候補の対ロシア政策や、同候補がダライ・ラマと会談したことをもって、マケイン候補がブッシュ政権よりも対決主義的であることが浮き彫りになった、と述べる者もある。

5.マケイン候補は7月25日にCNNで、オバマ候補の「16カ月で米軍を撤退させる」案について、「非常に良い予定表である」と述べた。しかし、これが同候補の方針転換であるのか否かについてマケイン陣営は説明することを拒否している。

6.マケイン陣営は、共和党内に存在するプラグマティストとネオコンとの間の外交路線上の対立を抱えている。両者の力の均衡がどこにあるのかは未だ不明瞭である。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/26/us/26policy.html?hp

2008年7月25日金曜日

米国を再び強くする方法 (エコノミスト誌 社説)

2007年7月24日付 エコノミスト誌 社説 ”Unhappy America”

【概要】
1.人々と同様国家にも、不調な時がある。今の米国はそんな時にある。米国人の多くは米国が失敗しつつあるのではないかと懸念している。米国型資本主義がうまくいっていないことも不満の種だ。また、1%の人のみが富を集中している時に自分は取り残されていると考える人も多い。

2.米国は海外でも、あまり意味もなく大量の血と富とを費やしている。

3.世界は、非常に多極化しているようである。

4.米国はこれまでも不調になったことがある。米国はそのたびに巻き返してきた。米国は自国の修繕をするのが得意であるからである。米国の政治システムは迅速に反応した。

5.しかし、人々と同様国家も、心持が暗いときには危険な振る舞いをするものである。仮に、何を変える必要があり、何を受け入れる必要があるのかを判別することに失敗すれば、米国は、同盟国や通商相手を傷つけるのみならず、自国をも傷つける危険を冒すことになる。

6.確かに変える必要のある分野は存在する。そして米国が誤りを訂正し始めていることは良いことである。

7.アジア全般、とりわけ中国に対する米国の相対的凋落が起きていることについて、米国は、現状維持を図ろうとするのではなく、自らの態度を変更しようとすることが必要である。米国は、中国やインドの成功を祝福すべきだ。

8.誰もが、不調な時を経験する。自らが引き起こした問題から学び、より強くなる人もいる。他者を責めて、それを外部にぶつけて、自らをいっそう傷つける人もいる。米国は、かつて前者の道をとる知恵を有していた。現在もその知恵を有していることを希望しよう。

(出典は⇒http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=11791539

2008年7月24日木曜日

オバマ米大統領候補の外交政策 (WP紙社説)

2008年7月23日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Mr. Obama in Iraq”

【概要】
1.在イラク米軍を16ヵ月間で撤退するというオバマ候補の戦略は、米軍司令官からもイラクの主要な政治指導者からも支持を受けていない。

2.オバマ候補のいう戦略的ビジョンは、奇妙である。オバマ候補は、米国にとってアフガニスタンが「中心的な前線」であると主張するが、アフガニスタンには、知られているかぎりアルカイダの基地は存在しない。さらに、追加的に派遣される米軍は、オサマ・ビン・ラーデンのいるパキスタン領では活動することができない。米国は、タリバンの復活を阻止することに国益があるが、イラクと比べればアフガニスタンの戦略的重要性は劣る。仮に、オバマ候補が反戦の立場を取るあまり、このような現実が見えないのであれば、それは同候補にとって、大統領候補としてはるかに大きな問題となるであろう。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/22/AR2008072202462.html

米印民生原子力協力合意 (WP紙社説)

2008年7月23日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”India's Outstretched Hand”

【概要】
1.シン・インド首相は、インド議会の不信任投票を切り抜けたことによって、米印民生原子力協力合意の存続を確保した。今度は、同合意が米国の政治プロセスを切り抜けることができるか否かが問題である。

2.米印民生原子力協力合意は、多くの正当なる問題を提起することになるが、全般的にみれば、米国の国益であり、連邦議会は承認すべきである。

3.米印民生原子力協力合意への署名以上に、おそらく、インドが、価値観を共有するのみならず、国益、すなわち中国を牽制し、イスラムのテロと闘うという国益を米国と共有する民主主義国であることが、より重要であろう。

4.シン首相が、ワシントンとのより緊密なつながりを求めて共産党を引き離すことに成功した事実が、米印民生原子力協力合意が既に、インドに穏健さをもたらしていることを示す希望のもてる徴候である。

5.仮に米連邦議会が同合意を拒絶すれば、インドは、フランスあるいはロシアから、計画されている2万5千メガワットの原子力能力を購入することになろう。

6.シン首相は役割を果たした。今度は、米連邦議会の番である。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/22/AR2008072202656.html

2008年7月22日火曜日

ブッシュ政権外交政策の転換 (NYT紙分析記事)

2008年7月22日付 ニューヨーク・タイムズ紙 分析記事 ”A New Openness to Talks With That 'Asis of Evil”

【注目点】
1.ライス国務長官は、来週シンガポールで北朝鮮の「外相」と会談する。このような米朝間の幹部の会談は、オルブライト元国務長官が金日成と会談して以来である。

2.ブッシュ大統領は最近、「悪の枢軸」と呼ばれた、イラン、北朝鮮、イラクに対して譲歩を重ねている。政権末期に譲歩を重ねるのは他の政権にも見られることであるが、ブッシュ政権の場合は、敵とは交渉しないことを知的、道徳的ドクトリンとしてきただけに、とりわけ目を見張るものである。

3.(豆知識) スタンフォード大学のイラン専門家であるAbbas Milaniは、ブッシュ政権に助言を行ったことがある。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/22/washington/22diplo.html?ref=world

アフガニスタン情勢 (FT紙社説)

2008年7月21日付 フィナンシャル・タイムズ紙 社説 ”Changing tack in Afghanistan”

【概要】
1.アフガニスタンの危機の解決は、アフガニスタン人のみによって可能である。すなわちより良い中央政府をもつこと、さらにより重要なことであるが、地域レベル、地区レベルでより良い政府団体をもつことによってである。

2.アフガニスタンに駐留する外国軍隊は、個人を支援するのを止めなければならない。個人とは、往々にして、地域の有力な軍閥であることが多く、彼らを支援することが秩序を保つ上での近道であるとみなされている。しかし、これによって、選出された代表者の正当性を失わせることになるし、アフガニスタン社会の極悪の権力を強化することになるため、アフガニスタンにおける外国軍隊自体の地位が損なわれてきた。

3.外国軍隊は、駐留しているのは個人を支援することが目的ではなく、アフガニスタンの人々を支援することが目的であり、アフガニスタンの人々が良き政府を打ち立てるための努力を支援するために駐留しているのであることを明確にしなければならない。

(出典は⇒http://www.ft.com/cms/s/0/91f6b196-574e-11dd-916c-000077b07658.html

米大統領候補の外交政策 (FT紙 コラム)

2008年7月21日付 フィナンシャル・タイムズ紙 コラム ”Back Obama for commander-in-chief” (ギデオン・ランチマン・コラムニスト)

【概要】
1.次期アメリカ合衆国最高司令官には、オバマ氏のほうが好ましいと考えられる強力な理由がある。オバマ氏は、マケイン氏と比較して、イランを攻撃することによって、さらにもう一つの「自らの選択によって行う戦争」を開始する可能性が少ないからである。

2.米軍幹部は、中東でさらにいま一つの戦争を開始する気はないことを明確にしている。

3.1945年以来の国際関係の偉大な教訓の一つは、核抑止は有効に機能する、ということである。オバマ氏はこの教訓を尊重している。マケイン氏は尊重していない。この理由のみからも、オバマ氏がより良い最高司令官になると言えるであろう。

(出典は⇒http://www.ft.com/cms/s/0/123c2f0a-5733-11dd-916c-000077b07658.html

エジプトの反体制運動家の処遇 (WP紙社説)

2008年7月22日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Captive to a Discarded Cause”

【概要】
1.7月23日、ムバラク・エジプト大統領は、例年恒例の恩赦を与えるが、最もよく知られた政治犯であるヌール氏は、恩赦の対象にならない。

2.ヌール氏は、自由民主主義者であり、部分的にはブッシュ大統領の民主化の呼びかけに鼓舞されて、2005年にムバラク大統領の再選に対抗したが、禁固されることとなった。

3.ブッシュ大統領は、ヌール氏のような民主主義者の政治犯を擁護する姿勢を、かつてと比較して、とらなくなった。過去2年間、ブッシュ大統領は「自由アジェンダ」をほぼ放棄し、国務省がムバラク氏のような独裁者に宥和するのを許した。

4.仮にヌール氏が今週釈放されない場合、ブッシュ大統領は、対エジプト軍事援助というエジプトに対する影響力を行使する道徳的な義務があると感ずるべきである。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/21/AR2008072102394.html

米大統領候補者の外交政策 (NW誌記事)

2008年7月19日付 ニューズ・ウィーク誌 ザカリア記者 ”Obama Abroad”

【概要】
1.少なくとも、外交政策に関する歴史的な分類で言えば、オバマ候補は冷徹な保守派であり、マケイン候補は陽気な理想主義者であるようだ。

2.今後10年にわたって米国が直面する最大の戦略的課題を一つ挙げれば、それは世界に新たに台頭する勢力を引き込み、それらを世界経済秩序、世界政治秩序のステークホルダーにすることである。よって、オバマ候補とマケイン候補の立場の相違は重要である。

3.マケイン候補は、「民主主義連盟」を創設し、ロシアをG8首脳会合から排除し、中国については民主主義連盟からもG8からも排除すべきであると論じている。

4.オバマ候補は、世界の大きな問題を解決するため、両国と協力する必要があると論じ、ロシアについては、核拡散の問題について、中国については経済問題について協力すべきであると論じている。

5.オバマ候補とマケイン候補との間の相違点は、イデオロギーの相違以上に、気性の相違である。マケイン候補は悲観的であり、オバマ候補は、世界は米国のようになるとの見方をする。

6.オバマ候補は、楽観的現実主義者、とか、現実主義的楽観主義者ということは可能であっても、ナイーブであるとは言えない。

(出典は⇒ http://www.newsweek.com/id/147763/output/

2008年7月21日月曜日

ジンバブエ情勢 (NYT紙社説)

2008年7月21日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Failing Zimbabwe”

【概要】
1.来週から南アフリカでムガベ大統領とツバンギライ野党党首との間で交渉が開始される可能性がある。

2.ジンバブエに関する調停チームに、追加的に、より公平なメンバーを加えるよう他のアフリカ指導者が南アフリカ大統領に説得したのは良い徴候である。

3.アフリカの指導者は、公平で迅速な解決をするようムガベ大統領とムベキ大統領に圧力をかける必要がある。

4.ブッシュ政権は、安保理に行動を起こすよう圧力を加え続けなければならない。そして米のジンバブエに対する二国間の懲罰を重いものにし、他国にも同様にするよう促すべきである。

5.もし来週の南アフリカでの交渉が失敗したら、ブッシュ政権は、ツバンギライ野党党首を亡命中の正当な政府の代表者と認めるよう、あらゆる国に促すべきである。

6.世界は、ムガベ大統領に対し、同大統領が選挙における多数者支配の原則によって政権についたにもかかわらず、多数による支配の原則を無視し、ジンバブエの人々を裏切っていることを思い起こさせる必要がある。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/21/opinion/21mon1.html?ref=opinion

2008年7月20日日曜日

米エネルギー政策 (NYT紙 コラム)

2008年7月20日付 ニューヨーク・タイムズ紙 コラム ”9/11 and 4.11” (トーマス・フリードマン・コラムニスト)

【概要】
1.経済学者のポール・ローマーは、「危機は、無駄にするにはもったいな過ぎる。」と述べた。ブッシュ大統領は、9.11の危機だけでなく、ガソリン平均価格が$4.11になった4.11危機をも無駄にした大統領として記憶されよう。

2.ブッシュ大統領は、ガソリン平均価格が$4.11になった危機に乗じて、全国的な「石油中毒」対策を行う機会があったにもかかわらず、「ショッピングに行きなさい。(2006年12月20日の大統領記者会見において個人消費拡大を促した発言。ここでは、エネルギー節約を訴えるどころか、ガソリンを使え、と言っているのは変である、という文脈。http://www.whitehouse.gov/news/releases/2006/12/20061220-1.html)」と発言したり、米国沿岸沖での石油・天然ガス採掘禁止の解除を決定しようとした。

3.しかし、問題は、「ガソリン価格」の問題ではなく、「中毒」の問題なのである。問題解決に必要なのは、価格を下げることではなく(これは中毒を長期化するだけである)、石油中毒への対処であり、クリーンなエネルギー・システムである。

4.現在のものとは異なる、それに代替となる戦略を知りたければ、アル・ゴア元副大統領が行った演説を読むが良い(http://www.huffingtonpost.com/al-gore/a-generational-challenge_b_113359.html)。アル・ゴア氏は少なくとも、真の問題、すなわち、多面的で、複数世代にまたがるエネルギー、環境、地政学に関わる問題に対処する計画を有している。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/20/opinion/20friedman.html?ref=opinion

米・パキスタン関係 (WP紙 コラム)

2008年7月20日付 ワシントン・ポスト紙 コラム ”Pakistan's Enduring Illusions” (ジム・ホーグランド・コラムニスト)

【概要】
1.誤った思い込みであることが発覚すれば自動的にその誤った思い込みが放棄されるとは限らない。他の選択肢がよりリスクを伴うものであるように見える時には、より一層その誤った思い込みが必要となる。

2.米大統領候補者の両名が、パキスタンに安定をもたらし、テロとの闘いに勝とうとして今まで以上にパキスタンに税金をつぎ込もうとしている時、このことが言える。同じアプローチでブッシュ政権は対パキスタン政策に失敗している。新政権も失敗しよう。 今必要なのは、米国の対南アジア政策を作り変えることだ。

3.パキスタンは、世界で最も困難な外交政策課題となっている。

4.パキスタンが、インドの経済発展に加担しない限り、パキスタンの未来は暗いままである。パキスタンの将来は、インドとの関係によって決まる。パキスタンの将来は、米国からの援助の増額によって、あるいは、アフガニスタンの部族戦争に加担し続けることによって決まるのではない。米国がパキスタンの将来を決しているという幻想にしがみ続けるのではなく、上記の現実を認識し、それに基づいて行動を起こすことが、米・パキスタン両国新政権の喫緊の行動事項である。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/18/AR2008071802606.html

2008年7月19日土曜日

イラン核問題 (LAT紙 Op-ed)

2008年7月19日付ロサンゼルス・タイムズ紙 Op-ed ” Bush's U-turn toward common sense” (グラハム・アリソン・ハーバード大学ベルファー・センター所長)

【概要】
1.バーンズ国務次官がイラン核問題に関するEUとイランとの「予備」交渉に「オブザーバー」として出席することは、疑いなく、米国内及びイラン国内における激烈な内部路線闘争を乗り越える上で、大きな一歩である。

2.イランでは、現実派がイデオロギー主義者をしのいだ様子である。ハメネイ・イラン最高指導者が、アフマディネジャド・イラン大統領のこけおどしの戦闘的方針とは異なる方針をとることを承認したことを示唆する徴候がある。2週間前にハメネイ最高指導者の外交政策顧問であるベレイアティ氏が、「凍結に対して凍結で応える」アプローチを支持する旨の発言を行っている。

3.今後数週間にわたって、米国政府内部、及び、イラン政府内部の双方で、内部紛争が強まるであろう。ブッシュ政権の強硬派は、交渉が失敗するようにするため、達成不可能な目標を設定することを主張し、交渉が失敗すれば、米国は軍事攻撃以外のあらゆる手段を尽くした、と主張することができるようになろう。仮に、ライス国務長官の路線が優勢となれば、ブッシュ政権が対北朝鮮政策で見せたような、「プルトニウム製造からは撤退することになった」、と述べる筋書きになるかもしれない。

4.ボルトン前国連大使は批判しているが、彼以外の、たいていの思慮分別のある人々は、ブッシュ政権の現実に合わせた方針転換を賞賛するであろう。

(出典は⇒http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-allison19-2008jul19,0,4867173,print.story

2008年7月18日金曜日

パキスタン情勢 (FT紙社説)

2008年7月17日付 フィナンシャル・タイムズ紙 社説 ”Pakistan's troubles demand unity”

【概要】
1.パキスタンは、政治危機、経済危機の混迷を深めている。しかし、選挙で選出された政治家は、危機に対処する意思、あるいは、それに対処する能力が欠けている。

2.幸運にも、これまでのところ、カヤニ・パキスタン軍将軍は、問題を「解決」するために介入する意思を全く見せていない。軍事政権樹立は、真の解決策にはならない。しかし、パキスタンの政党指導者がパキスタン国家のために協力しなければ、彼ら自身が破滅することになる可能性がある。

(出典は⇒http://www.ft.com/cms/s/0/90f7f1b8-5430-11dd-aa78-000077b07658.html

イラン核問題 (NYT紙社説)

2008年7月18日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”A Seat at the Table”

【概要】
1.我々(NYT紙)は、ブッシュ大統領が、バーンズ国務次官(政務担当)をイラン核プログラムに関する交渉に派遣する決断を行ったことを歓迎する。

2.バーンズ国務次官を派遣すると、イランに対して行うインセンティブ・パッケージがより信頼に足るものなる。そして、外交的圧力がイランの側にかかる。そして、イランがさらに強情を張った場合、イランに対してさらなる制裁措置を科すことにつき、中国やロシアが抵抗しづらくなる。

3.我々は、ブッシュ政権が、イランに米国領事業務等担当駐在所(interests section)を設立する提案をイランに対して行うことを希望する。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/18/opinion/18fri1.html?ref=opinion

イラン核問題 (NYT紙分析記事)

2008年7月17日付 ニューヨーク・タイムズ紙 分析記事 ” Policy Shift Seen in U.S. Decision on Iran Talks”

【概要】
1.7月19日にジュネーブで行われる予定のイラン核問題についてのイランとの国際交渉に、米国がバーンズ国務次官(政務担当)を派遣することを決定したことは、2つの意味でブッシュ政権の政策転換であった。

2.一つには、ブッシュ政権が、イランがウラン濃縮を停止しない限り米国はイランと直接交渉をしない旨の立場を放棄したことである。いま一つは、イラン核問題に関するP5+独の対イラン交渉に米国が代表を派遣することによって、これに、より重要な意味合いを付加したことである。

3.ペリーノ・ホワイトハウス報道官によると、バーンズ国務次官を派遣する件については、ライス国務長官がブッシュ大統領に話を持ち出したという。

4.米国が交渉にどの程度関与するかは不明である。

5.イランに対する交渉パッケージの中には、ライス国務長官自らが署名した、政治的経済的インセンティブを記した書簡があり、これにイランが反応を示したことから、今回のバーンズ国務次官の派遣につながった模様である。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/17/world/middleeast/17iran.html

2008年7月17日木曜日

F-22戦闘機 (FT紙Op-ed)

2008年7月16日付 フィナンシャル・タイムズ紙 Op-ed ”America's air force misses the target”

【概要】
1.ゲイツ米国防長官は、F-22戦闘機を米空軍が望むように381機分購入するのではなく、183機購入しようとしている。同時に、米国は、F-22戦闘機の高度な技術を独占するため、F-22戦闘機を同盟国と共有しようとはしない。そうすると、一機あたりのF-22戦闘機の価格が高くなってしまう。

2.ゲイツ国防長官は、F-22戦闘機をより多く購入するか、あるいは、米国の同盟国(オーストラリアと日本が関心を示している。)にもF-22戦闘機の購入を許可すべきである。 さもなければ、F-22戦闘機がたとえすばらしい戦闘機であるとしても、高くつく失敗となってしまう。

(出典は⇒
http://www.ft.com/cms/s/0/d7d3b01c-535f-11dd-8dd2-000077b07658.html

米大統領候補の対イラク、対アフガン・パキスタン政策 (NYT紙 社説)

2008年7月17日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Talking Sense on Iraq”

 ニューヨーク・タイムズ紙が社説で、バラック・オバマ米大統領候補(民主党)の対イラク政策、対アフガニスタン・パキスタン政策を強く支持し、ジョン・マケイン米大統領候補(共和党)のそれを強く批判する内容の社説を掲載した。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/17/opinion/17thu1.html?ref=opinion

2008年7月16日水曜日

国際刑事裁判所とスーダン (WSJ紙社説)

2008年7月16日付 ウォールストリート・ジャーナル紙 社説 ”More Darfur Posturing”

【概要】
1.国際刑事裁判所の検事がバシール・スーダン大統領の逮捕状を請求する決断をしたことは、いつもの、効力のない、道徳上の立場を示すポーズに過ぎない。

2.これまでの国連の記録は、国際社会がダルフールについて声を上げるほど、行動がなされなくなるという逆相関関係を示しており、今回の国際刑事裁判所の動きはその典型例である。

3.バシール大統領が裁判にかけられるとすれば、それはミロセビッチ旧ユーゴスラビア大統領のときのように、同大統領が権力から放逐された時にのみありうる。

4.もし文明世界がダルフールを救うことに真剣であるのなら、正当性を有さない国際刑事裁判所が発出する偽りの道徳的慰めになるだけの意味のない起訴に目標を定めるのではなく、クーデタあるいは革命あるいは外国の介入によって、バシール大統領を権力から放逐することに目標を据えなければならない。

(出典は⇒
http://online.wsj.com/article/SB121617393073456841.html?mod=opinion_main_review_and_outlooks

2008年7月15日火曜日

国際刑事裁判所とスーダン (NYT紙Op-ed)

2008年7月15日付 ニューヨーク・タイムズ紙 Op-ed ”Catching a War Criminal in the Act” (リチャード・ゴールドストーン元国際刑事裁判所首席検事)

【概要】
1.国際刑事裁判所の国際検察官が前回、現役の国家の首脳を起訴した際、すなわち1999年のミロセビッチ・ユーゴスラビア大統領、2003年のテイラー・リベリア大統領の際も、「政治」を考慮に入れていないと批判された。

2.しかし、国際刑事裁判所設立に係わる1998年のローマ条約は、残虐な犯罪を犯した国家首脳から免責権を取り上げている。

3.国際刑事裁判所が逮捕状を発出したことにより、強硬派が交渉の席から退いたため、ボスニア和平プロセスに役立ったこともある。

4.バシール・スーダン大統領の起訴により、スーダンの人々の目に映るスーダン政府は、正当性を失うことになるかもしれない。スーダンは2009年に選挙を予定している。

5.国際刑事裁判所から逮捕状が発出された暁には、国連安保理は、スーダン政府に対し、真の圧力をかけるべきである。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/15/opinion/15goldstone.html?ref=opinion

スーダン情勢 (NYT紙 社説)

2008年7月15日付ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Charged With Genocide”

【概要】
1.国際刑事裁判所検事が、バシール・スーダン大統領がダルフールの惨劇において果たした役割につき、同大統領に対してジェノサイドの罪を請求する旨の決断を下したことにつき、我々は支持する。

2.国連安保理はこれまで、非良心的と言えるほど受身であった。我々は、国連安保理がそのことを恥じて、行動を起こすことを希望する。

3.国際刑事裁判所裁判官は現在、逮捕状を発出するか否かを検討しているが、国連安保理は、この期限とこの脅しとを利用して、バシール大統領に圧力をかけなければならない。仮に同大統領が協力する決断を下せば、安保理は、国際刑事裁判所による同大統領の訴追を停止することができる。

4.米国は、より多くの努力をすることができたはずである。米国は、本日より、スーダン政府の通信ネットワークに対する妨害行為を開始することができよう。安保理が飛行禁止区域の設定を行わないのならば、米国はNATOにその話をもってゆくべきである。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/15/opinion/15tue2.html?ref=opinion

2008年7月14日月曜日

米・イラク関係 (NYT紙Op-ed オバマ米大統領候補)

2008年7月14日付 ニューヨーク・タイムズ紙 Op-ed ”My Plan for Iraq” (バラク・オバマ民主党大統領候補)

【概要】
1.マーリキー・イラク首相が、米軍をイラクから撤退させる期限を設定することを求めたのは、大きな好機である。我々はこの機会をつかみ、戦闘部隊の段階的再展開を開始すべきである。

2.我々は、米軍を再展開させることによってのみ、イラク人に対して包括的な政治的妥協を行うよう圧力をかけ、イラクの安全保障及び安定についてイラク人が責任を持つ体制に移行することに成功することが可能である。

3.私が大統領に就任したその第一日目に、私は、米軍に新しい命令を下すであろう。すなわち、私は米軍に、この戦争を終結させることを命ずるであろう。

4.米軍が再展開した後、イラクに残る残余部隊は、メソポタミアにいるアル・カーイダの追及等、限定的な任務を行う。

5.私は、米軍が安全に再展開を行い、米国益が守られるようにするため、イラク現地の米軍司令官及びイラク政府と協議するであろう。

6.私は、イラク人難民を支援するための新しい国際的努力に対し、20億ドルをコミットするであろう。

7.イラクはテロとの闘いの中心的な前線ではなく、そうであったこともない。

8.私は、新戦略を追求するであろう。私は、少なくとも追加的に2個の戦闘旅団をアフガニスタンにおける我々の努力を支援するために派遣することから始めるであろう。

9.私は、イラクに在韓米軍常設基地と類似した常設の基地を作ることを求めないことを完全に明確にするであろう。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/14/opinion/14obama.html?ref=opinion

米・イラン関係 (NYT紙Op-ed)

2008年7月14日付 ニューヨーク・タイムズ紙Op-ed ”Our Man inIran?” ジェイムズ・P・ルービン元国務次官補(広報担当)(クリントン政権)(現コロンビア大学教授)

【概要】
1.私は、米政府高官から、ライス国務長官がイランの首都テヘランにInterests Sectionを創設することにつき、ブッシュ大統領から承認を取り付けようとしている旨を聞いた。これは賢明なアイデアであり、民主党、共和党両党は支持すべきである。

2.米外交官をイランへ派遣する主たる目的は、イラン人が米国に渡航するのをより容易にすることとなろう。

3.米・キューバ間がそうであるように、正式な外交関係が停止されていてもInterests Section を創設することは可能であろう。在イラン・スイス大使館の建物内に創設され、このInterests Sectionの役割は、査証申請の処理とその他領事業務となろう。

4.イランに米国の外交関係のポストを創設できれば、限定的であるとはいえ有意義な前進となろう。

5.イランが、この案を拒絶する可能性は当然あるが、その場合、米国は点稼ぎとなり、イランは、米国に渡航したいイラン国民の怒りを買うことになろう。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/14/opinion/14rubin.html

2008年7月13日日曜日

イラン核問題 (WP紙コラム)

2008年7月13日付 ワシントン・ポスト紙 ”Jitters Over Iran” (ジム・ホーグランド WP紙コラムニスト)

【注目点】
1.中東における戦争と平和の水圧装置は、一つの閉鎖系の圧力システムの中で、ある場所における緊張が低下すると、他の場所で緊張が増大しなければならないようになっている。さながら、もしイスラエル・シリア間の緊張が緩和すると、イランがうなり出すか、あるいはもっと悪いことをし出すようなものである。

2.米国はイスラエルに対して、公にも内密にも、イランに対する軍事攻撃をしないようにと圧力をかけている。

3.外交関係の情報源及び米国情報源によると、ワシントンからイスラエルに対する圧力は大変強いものであり、米国は、現在イスラエルによる対イラン攻撃が行われた場合、米国は、イスラエルのためにイスラエル爆撃機が通過するためにイラク領空を開けたり、 その他のロジ支援を与えようとしたりはしないであろう、との旨の意思表示をしたという。

4.米財務省がリードしている省庁横断作業部会は、国際的な保険会社に対して、イランの船舶積荷輸送、イランのインフラ、イランの事業を保険でカバーしないようにさせるための計画案を練っている。もしイランとのつながりを維持すれば、そのような保険会社は「評判上のリスク」をかかえることになる。 (←日本の保険会社にとっても重要な情報?

5.メリドール・駐米イスラエル大使は、先週、イランが2009年末までに核兵器製造能力を獲得するかもしれないことを危惧している旨を私に述べた。

(出典は⇒
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/11/AR2008071102546.html?nav=rss_opinion/columns

米外交ドクトリン (WP紙Op-ed)

2008年7月13日付 ワシントン・ポスト紙Op-ed ”Kennan Had a Vision. Things Aren't So Clear Now.”(コレット新米国安全保障センター上級フェロー、ゴールドガイアー・ジョージワシントン大学教授)

【要点】
1.米外交を導く、単純な、ジョージ・F・ケナンが提示した「封じ込め」のような概念を追求することは、21世紀の複雑な社会にあっては、無用で、買いかぶられていることであり、危険なことでさえある。

2.(後世に残るようなドクトリンを作れなかった)クリントン政権のチームは、1990年代初頭に、かつてケネンが提示したドクトリンに代わるドクトリンを作り出すのを手助けしてくれることを期待して、ケネンと会った。ケネンは以下のような賢明な助言をした。バンパーステッカーのような短い言葉にあらゆることを集約させようと試みてはならない。それよりは、「思慮深いパラグラフの1つか2つ」を考え出すようにしなさい。

(出典は⇒
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/11/AR2008071102391.html

イラン核問題 (WP紙 社説)

2008年7月13日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”The Mullahs Say Maybe”

コメント: ワシントン・ポスト紙は、イラン核問題をめぐる外交のゆくえに、悲観的な結論を下している。

【概要】
1.イラン外相が、イラン核プログラムについての国際的な提案に対してあいまいな返答をしたとおもえば、イランは、ミサイル発射を行った。その後、イランは、来週ジュネーブでソラナ上級代表と会談を行う、という。これは何を意味するのか?

2.イランは交渉の準備をしているのであろうか、それとも、イラン革命防衛隊が、イランの穏健派が西側と妥協しようとするのを妨害しようとしているのであろうか?答えは不明だ。

3.イランが今回のP5+独の提案を拒絶するとすれば、イランにおいて西側と対決しようとしている勢力が完全に優位にあることを示していることは明らかである。

4.イランが、今回のP5+独の提案を拒絶するとすれば、米国が支持してきた3年間にわたる外交努力が失敗したことが明瞭に示されることになり、一方、イランが同提案を受諾するとしても、それは、より緩慢で、より大きな激痛を与えることになる(外交努力の)失敗となることを意味するに過ぎないであろう。

(出典は⇒
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/12/AR2008071201479.html

2008年7月11日金曜日

イラン核問題 (WP紙記事)

2008年7月11日付 ワシントン・ポスト紙 記事 ”Iran's Conflicting Signals to the West” (グレン・ケスラー記者)

【注目点】
1.交渉前に強さを見せつけることが、長きにわたってその有効性が知られてきた外交の常道であることから、イランによるミサイル発射、及び、イランによる手厳しい言動は、イランが突然、交渉に道を開けようとしている徴候である可能性がある。

2.デニス・ロス元米国中東特使によると、イランから様々なメッセージが発せられているのは、イラン指導層の意見が二つに分かれていることを反映しているのかもしれない。同時に、イランの発する様々なメッセージは、「イランを攻撃するのは理にかなわない。我々は交渉することもできるし、非常に身の毛もよだつようなことも可能である」との旨の同じ一つのメッセージでもある。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/10/AR2008071000024.html

タリバン (NYT紙社説)

2008年7月11日付ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”The Taliban's Rising Tide”

【概要】
1.パキスタンの国境地域のタリバンとアル・カーイダは、アフガニスタンに駐留する米軍、NATO軍、及び、パキスタンの人々にとって、重大な脅威となっている。

2.米軍をタリバンとアル・カーイダを平定するためにパキスタン国境地域に派遣するのは正しくない。

3.パキスタンの文民指導者及び新軍司令官は、これら過激派との闘いにコミットし、反テロ技術の訓練を受けたエリート部隊を派遣することにコミットする必要があろう。地元部族指導者がタリバンから引き離されることも必要である。これは、パキスタンと米国が相当量の経済援助の裏付けをもって部族指導者にタリバンから距離を置くことを勧告する場合にのみ実現する。

4.バイデン上院議員とルーガー上院議員は、10年間で最大150億ドルのパキスタンに対する経済開発、保健、教育目的の支援を行う法案を計画している。連邦議会は速やかにこれを承認すべきである。

5.米国は、パキスタン新政府と協力して、米の対パキスタン援助の支出先の優先順位を決定するとともに、将来の同国への支援が、文民政府を強化し、文民政府が軍と情報機関とを統率する権力を回復させるような方法でなされるようにする必要がある。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/11/opinion/11fri1.html

米・イラク関係 (ニューヨーク・タイムズ紙分析記事)

2008年7月10日付 ニューヨーク・タイムズ紙 分析記事 ”A More confident Iraq Becomes a Tougher Negotiating Partner for the U.S.”

【注目点】
1.ブッシュ政権は、イラクと、米軍の無期限イラク駐留を公式に認可する内容の結論を求める交渉を行っているが、これは失敗しつつあるようである。皮肉なのは、これが、イラクにおける戦争でブッシュ政権が成功しているがゆえに生じたことであるかもしれないことである。

2.最近までイラク軍の訓練を管理していたデュビック米軍中将(James M. Dubik)は、7月8日に、イラク軍は、早ければ2009年半ばには完全に機能するようになるかもしれない、と連邦議会に証言した。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/10/world/middleeast/10policy.html?scp=1&sq=A%20More%20Confident%20Iraq&st=cse

イラン核問題 (ニューズウィーク誌ウェブ記事)

2008年7月9日付 ニューズウィーク誌ウェブ版記事 マイケル・ハーシュ記者 ”The Guns of November Will Iran's missile test force the region towar?”

【注目点】
1.イラン核問題についての著名な専門家であるDavid Albright氏によると、イランは平均して毎日1.2kgの濃縮ウランを生産しており、これは、2009年後期までに核爆弾をつくるのに十分な量である。

2.ソラナEU共通外交安全保障政策上級代表の補佐官によると、ソラナ上級代表は、来週末までに、イランの交渉代表者であるサイード・ジャリリと会合を持つ予定。

3.イスラエルとイランとの戦争は、早ければ秋までに、米大統領選挙後に起こる可能性がある。

(出典は⇒
http://www.newsweek.com/id/145244

2008年7月10日木曜日

ダルフールにおけるジェノサイド (NYT紙 Op-ed)

2008年7月10日付 ニューヨーク・タイムズ紙 ニコラス・クリストフ記者 Op-ed ”The Pain of the G-8's Big Shrug”

【概要】
1.日本で首脳会合を行っているブッシュ大統領とG8の指導者は、ダルフールについて責任ある態度をとることから再度距離を置こうととしており、彼らは「ジェノサイドは国際関心事項としては過大に評価されすぎている」旨の議論を無言のうちに受け入れている。

2.ジェノサイドの犠牲者の数は、他の問題(飢餓、疾病、貧困、エイズ等)よりも少ないがゆえに、それらよりも優先順位が低いという議論は一貫しており、正当なる議論だ。しかし、真実は、ジェノサイドはこれまで常に巨大な恐怖であり続けてきたし、そのことは犠牲者の数とは無関係だ。ホロコーストが問題となるのは、6百万人のユダヤ人が殺害されたためではなく、一つの政府が、宗教的伝統を理由に人々を選別し、彼らを抹殺しようとしたからである。 アンネの日記の事件が恐ろしいのは、一少女の死ゆえというより以上に、国家の犯罪であるためである。

3.ジェノサイドの問題の優先順位が高いことについて、より実際的な視点からの議論もある。すなわち、ジェノサイドは報復と人間の追放のサイクルを生み出すことから、飢餓や疾病などよりもはるかに不安的化する力があるからである。

4.G8首脳会合がダルフールのジェノサイドについて集団的に距離を置いたことは後々まで汚点となろう。

5.来週の月曜日(7月14日)には国際刑事裁判所の検事がダルフールに関連して逮捕状を請求することが予定されており、同検事の過去の発言からして、バシール・スーダン大統領に対するジェノサイドを理由とした逮捕請求となるかもしれない。そうであるとすればこれは歴史的一歩であり、今後も推進してゆくべきことであろう。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/10/opinion/10kristof.html

北海道G8首脳会合 (WP紙社説、NYT紙社説)

 北海道G8首脳会合における気候変動に関する成果について、WP紙とNYT紙が社説で取りあげています。双方が、中国が米国を抜いて現在最大排出国になっている点を指摘していますので、今後米国のインテリの間では、この点は常識となるでしょう。また、双方ともに、ブッシュ政権時代の失われた時間をなげき、次期米政権の指導力に期待する、としている点が共通しています。

<1> 2008年7月10日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”No G(r)8 Accomplishment”

【概要】
1.G8首脳会合において、2050年までに地球温暖化ガス排出を半減する目標にコミットする旨が発表されたのは、記念碑的に素晴らしくもあり、痛ましくもあった。というのは、残り任期半年となったブッシュ大統領が、7年間の否認、怠慢、躊躇の末やっと、世界が同大統領に望んできたことに同意したからである。

2.G8のビジョンは壮大であるが、詳細が全く欠けている。例えば、いつの基準をもって半減させるのか、が書かれていない。

3.「主要経済国(Major Economies)会合」の協力がなければ、地球温暖化との闘いに勝つことはできないであろう。

4.現在は、中国が世界最大の地球温暖化ガス排出国であると考えられている。

5.大規模な排出削減を行う変化を起こすことのできる政策を策定し、これを履行するのは次期大統領となろう。ブッシュ大統領の歴史的遺産は、それを行うことに失敗したことにある。

(出典は⇒
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/09/AR2008070901977.html

<2> 2008年7月10日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Good Intensions, Vague Promises”

【概要】
1. 今週のG8首脳会合には2つの「初めて」があった。ブッシュ政権が完全な腰引けモードではなかったのが初めてであり、また、中国とインドを含む新興大国が初めて長期の排出削減に合意したことである。一方、良いニュースばかりではなく、最終合意には、クリーンなエネルギーに迅速で有意義な投資を行うことを義務付ける中期目標がなかった。

2.中国は、既に米国を超えて世界最大の温室ガス排出国になったのかもしれない。

3.少なくとも、排出量が最大の国々が同じ部屋で交渉することに前向きになった。米国は、とうとう進捗を遂げなければならない。ブッシュ大統領の気候変動に対する重い足取りを前に進める上で大きな成果があった。しかし、真実は、ブッシュ大統領時代は、時間の空費であった。

4.米国が、米国の排出を削減することに明確な目標と期限を入れて明確なコミットメントを行うことに前向きにならない限り、その他諸国は、米国と同じことをしないための口実を見出し続けるであろう。次期大統領と次期連邦議会は指導力を発揮しなければならない。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/10/opinion/10thu1.html?ref=opinion

2008年7月9日水曜日

米国の石油輸入への依存 (WSJ紙Op-ed)

2008年7月9日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ピケンズ BP Capital社社長による”My Plan to Escape the Grip of Foreign Oil”と題するOp-edを掲載した。

【概要】
1.米国は、石油の7割を輸入している。私は、米国のエネルギー安全保障について懸念している。

2.外国からの石油は、米国の3つの最重要課題に係わっている。経済、環境、国家安全保障である。我々は、エネルギーに関する問題を解決する計画が必要だ。

3.世界は一日に8,500万バレルの石油を生産している。しかし、世界は一日に8,600万バレル以上の石油を必要としている。ここ3年間の石油価格高騰にもかかわらず、2005年以来毎年、世界の石油生産は減少している。

4.私は、米国がこの先10年間で、外国からの石油輸入を1/3以上減少したいと考えている。これが私の提示する計画の目標である。

5.私の提示する計画は次のとおりである。まず風力。西テキサスからカナダとの国境に至る地帯は、「風版サウジアラビア」と呼ばれているほど、世界でも有数の風資源を有している。2008年にはエネルギー省は2030年までにエネルギー供給の20%を風力によって発電することが可能である旨の研究を発表している。

6.私の提示する計画では、風力発電によるエネルギーを使って、現在原子力燃料として使用されている天然ガスの大きな割合を置き換えることになる。風力発電によって生まれた天然ガスの有余分は、運輸交通の燃料のために使うことができる。これによって我々の石油輸入分の1/3以上を置き換えることができるであろう。我々は、これまでよりも多くの天然ガスによって運行する車両を作ることが可能であるし、そのようにすべきである。

7.私の提示する計画によって、将来、エネルギーに関する新しい技術が開発されるまでの時間の余裕を作ることができる。

(出典は⇒
http://online.wsj.com/article/SB121556087828237463.html?mod=opinion_main_commentaries

対アフリカ支援 (LAT紙Op-ed)

2008年7月8日付 ロサンゼルス・タイムズOp-ed ”The aid Africa can't afford” (Edward N. Luttwak (CSIS研究員)、Marian L.Tupy (カトー研究所政策アナリスト))

【概要】
1.G8の代表は、より多くの国際援助を行うことによってアフリカは利益を得るとの考えでまとまっているようであるが、そうした援助が機能不全の国家を支えることによってアフリカの人々に害を与えてきたことを忘れているようである。

2.国際援助は、アフリカの伝統にのっとった真のアフリカ政治の勃興と成長とを阻んできた。機能不全のアフリカ諸国への援助は停止されるべきである。

(出典は⇒
http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-luttwaktupy8-2008jul08,0,3502472,print.story

米国の戦争権限 (NYT紙Op-ed)

2008年7月8日付 ニューヨーク・タイムズ紙 Op-ed ”Put War Powers Back Where They Belong” (ジェームズ・ベーカー元国務長官、ウォレン・クリストファー元国務長官執筆)

テーマは、米国の開戦権限について定めた法律がこれまで無視されてきたことから、筆者二人を座長とする超党派の委員会が「War Powers Consultation Act of 2009」との名の新しい法律を提案したことについて。開戦決定前に大統領と連邦議会が協議することを義務付ける法律。

【概要】
1.我々が率いる超党派のNational War Powers Commissionは、1年間の研究の結果次の結論に達した。「1973年戦争権限決議」は、緊急状況にある場合を除いて、大統領と連邦議会指導者が戦争開始以前に協議することを義務づける新しい法律によって置換されるべきである。

2.我々が提案する新しい法律「War Powers Consultation Act of 2009」は、大統領が、1週間以上継続する、あるいは1週間以上継続することが予想される紛争作戦行動と定義される「大きな武力紛争(significant armed conflict)」を発令する以前に連邦議会と協議することを義務づける。仮に、秘密保持あるいはその他の事情によって事前の協議が出来ない場合には、3日以内に(「通知」ではなく)協議することが必要とされる。

3.同法では、上下両院指導者と主要な委員会の委員長及びランキング・メンバーとによって構成される連邦議会の合同委員会の設立を定める。また、同法は、関連する情報へのアクセスを有する常設の超党派の職員からなる事務局を設立する。

4.同法は、連邦議会にも義務を定める。連邦議会は、30日以内に承認決議につき投票を行う必要がある。承認決議が否決された場合、連邦議会議員は不承認決議を提議することができる。不承認決議は、両院を通過し、大統領の署名を経た場合にのみ法的拘束力を有する。不承認決議が否決された場合には、連邦議会は、将来の戦費拠出を妨げるために内部の規則を使ったりして反対を表明することが可能。

5.同法は、大統領にとって良いものである。憲法違反と見れられていた法律を廃止することが出来る上に、連邦議会に対して開戦につき意思表示を迫るという政治的利益がある。

6.同法は、連邦議会にとっても良いものである。連邦議会は、開戦決定の際に、より大きな役割を果たすことが可能になる。

7.同法は、米国にとっても良いものである。連邦議会と大統領との間で協力なされる可能性が高まるためである。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/08/opinion/08baker.html?_r=1&ref=opinion&oref=slogin

2008年7月7日月曜日

イラン核問題 (FT紙社説)

2008年7月6日付 フィナンシャル・タイムズ 社説 ”Iran must grasp the world's offer”

【概要】
1.今月行われる核問題に関するイランとEUとの交渉は、数年にわたるイランと西側の交渉の中にあって、非常に重要な岐路となる。

2.イスラエルが今年の秋にイランの核施設に軍事攻撃を行うことを決定するかもしれないとの恐れが西側諸国で高まりつつある。

3.イスラエルがイラン攻撃を考慮していると考えられる理由は、数多くある。イスラエルは、イランが核兵器を入手するまでの時間は西側諸国が考えているよりもはるかに少ないと考えている。イスラエルは、誤りであるかもしれないが、もしオバマ氏が米国大統領になった場合、イランとの戦いにおいて米国の政治的支援を失うのではないかと恐れている。

4.イスラエルによるイラン攻撃はなされてはならない。他の諸国は、外交ルートが成功するようあらゆる努力を払わなければならない。イランは、国際社会のインセンティブ・パッケージを受け入れ始めるべきである。

イラクの将来 (NYT紙社説)

2008年7月7日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Where Do We Go From Here?”

【概要】
1.2人の米大統領候補は、いかにして自らのイラクに関するコミットメントを果たし、イラクの混乱状態が管理できない状態に陥ったり、イラク国外にあふれ出したりしないようにするため、何を計画しているのかについて、今以上にはるかに真剣な公開の議論を行う必要がある。

2.Center for a New American Securityと、Commonwealth Instituteを含むリベラル寄りのタスクフォースが、それぞれイラク政策について報告書を発表した。中でも議論すべき点は以下のとおりである。

 (1)今年行われるイラク地方選挙と2009年に行われるイラク総選挙が、可能な限り自由で公平なものとなるようにするためには、イラクはどのような支援が必要か?

 (2)イラク国内避難民やシリアやヨルダンにいるイラク難民を再定住させるため、イラク政府はどのような支援が必要か?

 (3)停滞している政治改革を推進し、和解を促進するためには、何をすることが可能か?国際会議を開催すべきか?

 (4)イランやシリアといったイラク周辺国に対して、イラクの安定と主権を損なうのではなく、これを促進するよう説得するためには米国は何をすべきか?

 (5)目標をしぼった反テロ作戦行動を行ったり、ジェノサイドや外部からの介入を阻止したりするため、米国は限定的な部隊をイラクに残留させるべきか?

 (6)米軍が完全に撤退するかあるいはより緩やかに撤退を行うことをイラクと交渉した場合、米国は、より大きな影響力をもったり、新しく支援を確保する可能性が大きくなったりするか?

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/07/opinion/07mon1.html?ref=opinion

2008年7月6日日曜日

食糧危機とG8首脳会合 (NYT紙社説)

2008年7月6日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Man-Made Hunger”

テーマは北海道でのG8首脳会合において食糧危機への対応を行うよう訴える内容。

【概要】
1.食糧価格がかつてなく高騰しているため、数千万人が貧困と飢餓に陥る可能性がある。

2.この危機の要因の大部分は、人工のものである。誤ったエネルギー政策、誤った農業政策の結果である。G8首脳会合に集う各国首脳は、取るべき責任を担い、この危機への対応策を示さねばならない。

3.G8の各国首脳は、2005年に行われた最貧国への援助を大きく増大する旨のコミットメントを果たさなければならない。中東諸国のような他の富裕国にも圧力をかけなければならない。各国首脳は、農業補助金、エネルギー補助金を削減あるいは撤廃することにもコミットしなければならない。しかし悪いのは、富裕国のみではない。少なくとも30カ国の発展途上国は、食糧輸出を制限あるいは禁止している。

4.我々は、ブッシュ大統領が、世界の飢餓と闘うため、今年と来年にかけて50億ドルを拠出する旨をプレッジしたことを歓迎する。しかし、さらに多くのことがなされるなければならない。米国は海外援助を先進国の中で最も出し惜しみしている国である。

5.ぜーリック世銀総裁が述べたように、食糧危機は、世界が世界の最も弱い弱者を支援することに前向きであるか否かを示す試金石となる。日本に集う指導者たちは、この挑戦に立ち向かわなければならない。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/06/opinion/06sun1.html?ref=opinion

対アフガニスタン増派 (WP紙社説)

2008年7月6日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Afghan Escalation”

テーマはアフガニスタン情勢。アフガニスタンに十分な軍隊を一度に増派することの必要性、及び、パキスタン国内のタリバンに対処する必要性を主張している。

【概要】
1.現在、アフガニスタンには、40カ国からなる外国部隊6万6千人が駐留しており、このうち3万7500人は米軍である。

2.2008年5月及び同年6月には、イラクで死亡した兵員数よりもアフガニスタンでのそれのほうが多かった。

3.アフガニスタンにおける戦争は、ベトナム戦争におけるのと同様の症状、すなわち状況を劇的に好転させるには不十分な兵員数を漸増させるという症状に苦しんでいるようである。

4.アフガニスタンにおいて、イラクでのそれのような増派が必要とされているようである。問題は、大規模に新規投入する兵隊が手に入らないことである。

5.タリバンが幾度でも戦闘に敗れても平気なのは、その主要拠点と最高司令官が大部分、国境のパキスタン側にいるからである。よって、米国がたとえ増派しても、タリバンがパキスタンから加勢する能力が破壊されない限り、効果的とはならないだろう。

6.漸増方式の派兵が続けば、1、2年以内にアフガニスタンでの西側軍隊の死者数はイラクのそれを超えるであろう。その時、この派兵は費用に見合った価値があるであろうかというワシントンでの議論は、これまでイラクについてのみであったのが、アフガニスタンについても行われるようになるかもしれない。

(出典は⇒
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/05/AR2008070501360.html

2008年7月5日土曜日

米印民生原子力協力合意 (NYT紙社説)

2008年7月5日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”No Rush, Please”

テーマは、米印民生原子力協力合意について。同合意の締結をブッシュ大統領の任期中に行うために無理に急ぐべきではない、と主張している。外交面での歴史的遺産を狙うブッシュ政権に対して冷静にブレーキをかけている。

1.ブッシュ大統領は3年前にインドに対して寛大すぎる内容の原子力関連の提案を行った。しかし、シン印首相は本件によって政治的な困難に陥った。ブッシュ大統領は、外交面の得点を欲しており、シン首相に解決を迫っている。

2.しかし、急がなければならない理由はない。ブッシュ大統領は本件について、あまりにも多くの譲歩を行っているが、反対給付として得られるのはあまりにもわずかである。

3.連邦議会、IAEA、原子力供給グループは、承認を与えるか否かを検討するために多くの時間を必要としている。連邦議会、IAEA,原子力供給グループは、少なくとも、インドが再度核実験を行った場合にインドとの原子力関連の交易を停止する旨を主張しなければならない。加えて、IAEAの監視官によるインドの民生用原子力施設に対する可能な限り完全な監視をインドが受け入れるようにすることを主張しなければならない。米国は、原子力供給グループがインドに技術を売却する際の規則が、既存の米国法の定める規則と比較してより弱いものではないようにしなければならない。

4.ブッシュ大統領が、インドとより強力なつながりを作ろうとしたことは正しい。しかし、インドと産業ロビーイストの口車に乗せられて原子力合意を(米印関係の)中心的なものにしてしまったのは誤りである。

5.ブッシュ大統領の任期に合わせて、同合意を無理に通そうと試みるのは誤りであろう。

2008年7月4日金曜日

米・コロンビア関係 (NYT、WP、WSJ、FT 各紙社説)

コロンビアにおけるイングリッド・ベタンクール女史救出作戦の成功について、各紙の社説をまとめます。同じ事件を扱っていても各紙の特徴がよく出ています。

1.2008年7月4日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説”Freeing Ingrid Betancourt”
  • ウリベ・コロンビア大統領は、FARCが混乱状態にあることを利用し、FARCに対して政治的解決を提案すべきである。
  • ウリベ大統領とFARCとの政治的解決合意には、FARCが完全に武装解除すること、薬物取引ビジネスと誘拐を止めることが内容に含まれていなければならない。ウリベ大統領は、その反対給付として、ゲリラ兵の大部分に対する恩赦と、コロンビア政治に参加する可能性とを提示することができるかもしれない。
  • 米国はコロンビアのFARCとの戦いに巨額の支援を行ってきているから、ブッシュ大統領、マケイン上院議員、オバマ上院議員は、共に、ウリベ大統領を祝福するとともに、ウリベ大統領に対して完全な政治的勝利に向けて動くよう促すべきである。

(出典は⇒http://www.nytimes.com/2008/07/04/opinion/04fri2.html?ref=opinion

2.2008年7月4日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”Free at Last”

  • 我々が目にしたコロンビア軍の腕の良さは、十年前のコロンビア軍と比較してはるかに優れている。コロンビア軍のこの変容は、その大部分が巨額の米国の援助によって育まれたことは疑いようもない。この長期のコミットメントによる成功は、ワシントンに存在するコロンビアや南米諸国に対する軍事援助の有用性に対する悲観的見方を否定するものである。
  • 何ヶ月にもわたって、米・コロンビア自由貿易協定は政治の人質にとられてきているが、米連邦議会は、こちらも(人質になっていたベタンクール女史同様)解放しなければならない。民主党が自由貿易協定を人質にとっている理由は取るに足らないものである。自由貿易を自由にすべき時である。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/03/AR2008070303252.html

3.2008年7月4日付 ウォールストリート・ジャーナル紙 社説 ”Colombian Kudos”

  • ベタンクール女史他の救出のニュースは、マケイン上院議員がコロンビアとの自由貿易合意、オバマ上院議員はこれに反対しているが、同自由貿易合意への支持を求めるためにカルタゲナを訪問して帰途についた直後に流れた。
  • ウリベ大統領は、FARCが要求していた、領土の一部明け渡しを拒絶していた。このため、ウリベ大統領は政敵やサルコジ仏大統領の批判を受けた。米国の民主党も影でコロンビア政府に圧力をかけていた。しかし、ウリベ氏は、FARCが誠実に交渉を行うことを期待できないことを知っており、同氏の決断は、今、更なる政治的身代金を支払うことなく、報われた。

(出典は⇒http://online.wsj.com/article/SB121504368748824843.html?mod=opinion_main_review_and_outlooks

4.2008年7月3日付 フィナンシャル・タイムズ紙 社説 ”Uribe's rescue deserves acclaim”

  • ウリベ大統領は、自らの方針を堅持し、コロンビア政府に対する国民の信頼を回復したことにつき、賞賛に値する。ウリベ大統領の次なる任務は、慢心を防ぎ、独立した制度を強化することである。今回の作戦行動は、32年前のエンテベにおけるイスラエル軍の成功以来、世界で最も成功したものと言えよう。
  • 米の対コロンビア軍事支援は、同国の対反乱軍政策を強化する上で役立った。米国はその支援について、気前よくあるべきである。
  • 今回の成功によって、ウリベ氏の支持者は、ウリベ大統領の大統領任期第三期目の就任を可能にするよう憲法改正を求めるかもしれない。しかし、ウリベ氏は、彼らに対して後継者を選出するよう説得すべきである。そうすることが、コロンビアの政治的成熟を示す最善の方法であろう。

(出典は⇒http://www.ft.com/cms/s/0/40d28d3e-492b-11dd-9a5f-000077b07658.html

2008年7月3日木曜日

北海道洞爺湖G8首脳会合 (WP紙)

2008年7月4日付ワシントン・ポスト紙 潘基文国連事務総長Op-ed ”Global Action to Save Global Growth”

テーマは、国連事務総長による北海道洞爺湖G8首脳会合に対する期待表明。

【概要】
1.世界の(経済)成長は、我々の時代の時代の主要課題である。しかし、現在の経済成長がいつまで継続するものかを多くの人が懸念している。先進国消費者がスタグフレーションを恐れる一方、最も貧しい人々は今後食べ物を買うことができない。そして気候変動や環境悪化は地球の将来を脅かしている。

2.これらの多角的で複雑な問題に対処するためには、ありのまま、すなわち包括的解決を必要とする全体の中の一部分として、それぞれの問題をとらえるアプローチが唯一有効である。

3.このアプローチのうちの大きな割合を占めるのは、持続的開発に基づく「世界の供給面からの対応」であるべきだ。

4.世界の食料危機について言えば、必要なのは、アフリカの小農民に焦点をおく「緑の革命」である。

5.私は、G8首脳会合で、今後3年から5年の期間に、農業開発研究への政府援助を3倍にするよう求める。

6.気候変動に対する解決策についても、持続的開発が大きな割合を占める。

7.我々は、世界の適応基金に対して全額の資金拠出を行い、これを運営できるようにしなければならない。

8.我々は、2050年の目標を定めるだけでは不十分であり、2020年の中期目標が必要である。

9.G8首脳会合は、ミレニアム開発目標に対する我々のコミットメントの試金石ともなる。

10.世界経済は、最近では比較するもののないほど大きな試練に立たされているが、今こそ、我々が世界的に協力して成果を生むことができることを示すべき時である。それが正しい行いであるがゆえのみならず、あらゆる人の啓発された自己利益に適うがゆえに我々は行動を起こさなければならない。

(出典は⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/02/AR2008070202561_pf.html

米国の対イラン秘密謀報プログラム (NewYorker)

2008年7月7日付 『 ニューヨーカー』誌”Preparing the Battlefield” (セイモア・ハーシュ記者)

テーマは、米の対イラン秘密謀報活動プログラムが拡大していること。昨年夏に連邦議会がブッシュ大統領の要請を受けて、イランの少数民族に対する支援や反政府グループに対する支援を内容とする最大4億ドル規模の秘密謀報プロプログラムに合意したことを明らかにしている。

1.現役及び退職した米軍関係者、情報関係者、連邦議会関係者によると、連邦議会は、昨年末に、イランに対する秘密謀報作戦行動プログラムの大規模な拡大のために資金拠出することを求めるブッシュ大統領に対し、同意を与えた。

2.この対イラン秘密謀報作戦行動プログラムについて、ブッシュ大統領は最大4億ドルの拠出を求めており、同プログラムは、イランを不安定化させることを目的としている。同プログラムの内容は、ブッシュ大統領が署名した『Presidential Finding (大統領所見)』に記述されている。同プログラムには、イランの少数派アーワジ・アラブ(Ahwazi Arab)やバルーチー族のグループ、その他反政府運動を行う組織への支援が含まれている。また、同プログラムにはイランの核兵器プログラムについての情報収集も含まれている。

3.連邦法により、高度機密指定されている『大統領所見』は、秘密謀報作戦行動が行われる際に発表されなければならず、少なくとも、「8人のギャング」と呼ばれる、上下両院の指導者と、両院の情報委員会の長老議員に通知されねばならない。

4.大統領所見については、2008年5月初めにAndrew Cockburn記者がその一部をウェブ雑誌である『Counterpunch』誌に書いている。

5.『大統領所見』に通じている人物によると、同文書には、イランにおいて米国秘密諜報員が、潜在的防衛用殺害行動(potential defensive lethal action)を行うことに言及している。元上級情報関係者によると、この言葉は、CIAの要請によって挿入された。

6.元上級情報関係者によると、『大統領所見』には、「殺人行為を行うことに対する許可が含まれているが、CIAに関して言えば、殺害を目的にしているわけではない。目的は、情報収集及び協力者の取り付けである。」 民主党は、「潜在的防衛用殺害行動」の言葉に関してヘイデンCIA長官に特別ブリーフィングを求めた。同長官は、イラン国内で特殊部隊要員が拘束されたり、危害を受ける危険可能性に直面した際に、これを切り抜けるために彼らに射撃を行う許可を与える以上のものではない、と連邦議員に請合った。

7.元CIA要員のベアー氏(Robert Baer)によると、(米国が秘密裏に支援しているという)バルーチー族のグループは、スンニー派の原理主義者であり、イランの政権を憎んでいるが、アル・カーイダみたいなものだと言ってもよい集団であるという。

8.ベアー氏や報道によると、Jundallah(別名 Iranian People's Resistance Movement)といわれるイランの反体制集団は、米国の支援を受けている団体の一つである。しかし、同集団は、アル・カーイダとのつながりや、麻薬とのつながりが指摘されることもある。

9.CIA及び特殊作戦行動関係者は、その他イランの二つの集団と長期にわたるつながりがある。一つは、一般にM.E.Kとして知られるMujahideen-e-Khalqであり、いま一つはPJAKとして知られるParty for a Free Life in Kurdistanである。

(出典⇒http://www.newyorker.com/reporting/2008/07/07/080707fa_fact_hersh

2008年7月2日水曜日

ジンバブエ情勢 (WP、WSJ、NYT 各社説)

ジンバブエ情勢につきWP紙、WSJ紙、NYT紙の各紙社説をまとめます。

1.2008年7月2日付 ワシントン・ポスト紙 社説 ”An African Failure”

  • 悲しむべきことに、アフリカの指導者たちは、AU首脳会合においてジンバブエ危機に立ち向かうのに失敗した。
  • 例外は、オディンガ・ケニア首相、ボツワナ、リベリア、シエラレオネである。
  • 問題は、独裁者が、ムガベ大統領だけではないことである。ムガベ氏を首脳会合に暖かく迎えたエジプトのムバラクもこれに含まれる。
  • アフリカがジンバブエの問題に対応するのに失敗したからには、この問題は、国連安保理で取りあげられなければならない。安保理が何の反応も示さなければ、それは、国連には、AU同様に、犯罪者のような政府から苦しんでいる国民を救う用意がないことを意味するであろう。

(出典⇒http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/07/01/AR2008070102564.html

2.2008年7月2日付 ウォールストリート・ジャーナル紙 社説 ”Mugabe's African Pals”

  • AU首脳会合は、ムガベ氏がテレビ・カメラの前でアフリカの指導者と抱擁する機会になりはてた。
  • オディンガ・ケニア首相とガッジョ・セネガル外相は、ジンバブエに対する厳しい声を挙げた。
  • 自分たちのアフリカ大陸に恥辱をもたらしている独裁者に対して立ち向かうアフリカの指導者が彼ら以外にいないのは、悲劇的だ。

(出典⇒http://online.wsj.com/article/SB121495462831021151.html?mod=opinion_main_review_and_outlooks

3.2008年7月1日付 ニューヨーク・タイムズ紙 社説 ”Enabling Mr. Mugabe”

  • ジンバブエは、ジンバブエ国民の真の意思を反映する移行政権を必要としている。ジンバブエは、公正な選挙を再度行うことが必要だ。
  • アフリカの指導者は、ジンバブエが地域全体をさらに不安定化するのを防ぐ上で格好の位置にいる。
  • 米国は、国連安保理に対し、武器禁輸とムガベ氏の取り巻きに対する制裁とを行うよう圧力をかけている。残念ながら、ロシア、中国、南アフリカはこれに抵抗するだろう。だからこそ、アフリカの指導者は指導力を発揮しなければならない。アフリカの指導者は、ムガベ氏について、及び、同氏がジンバブエにもたらしたあらゆる惨事について真実を話し、それを制裁をもって裏づけ、安保理に対して同様のことを行うよう求めなければならない。

(出典⇒http://www.nytimes.com/2008/07/01/opinion/01tue2.html

米露関係 (IHT)

2008年7月1日付 IHT紙 ヘンリー・キッシンジャーOp-ed ”Unconventional wisdom about Russia”

テーマは、ロシア新体制についての視点と米国の対露外交のあり方について。キッシンジャーは、ロシア新体制は、権力の抑制と均衡を導入する政治体制の発展かもしれないという見方をしており、米国は、これを忍耐と歴史的理解をもって見守り、米露協力の推進を図るべきである旨を主張している。

*コメント*
キッシンジャーは、米国とロシアという大国間の協力を重んじる立場。ウクライナ問題の棚上げを主張していることについては、米国内でも大きな反発があろう。

【概略】
1.ロシア大統領にメドヴェージェフ氏が、首相にプーチン元大統領が就任したのは、プーチン元大統領の圧倒的権力とその積極的な外交が継続することを意味する、と一般には理解されている。しかし、現在モスクワに生まれつつある権力構造は、こうした理解よりも複雑であるように思われる。

2.私は、ロシア政治に新しい局面が生まれつつあるという印象を持っている。一種の権力の再配分が行われつつある。

3.ロシア大統領選挙は、権力を強化する段階から、現代化の時期へと移行したことを示した。ロシア政府が、大統領と首相の2つの権力の中心をもって運営されていくことは、後世、これまでロシアに欠けていた、権力の抑制と均衡を備えた政治体制への進化が開始したのだ、と映るかもしれない。

4.米外交に対する意味合いは何か? ロシアが、国家安全保障政策の政策策定とその実施について大統領と首相の間で実質的な分担方法を見出すために必要とする間を持つことができるよう、ブッシュ政権と大統領候補は、人前での発言を慎重にするのが賢明である。

5.ロシア人の大部分は、民主的なロシアを作ろうとする米国の態度を、傲慢かつロシアの再生を阻む決意でいるものと見なしている。しかし、ロシア史の中で最も期待のできる時期にあって、このような雰囲気が持続するとしたら残念である。我々は、忍耐と歴史的な理解とをもつことによって、ロシアにより多くの影響を与えることができる。

6.地政学的現実は、米露両国が戦略的協力を行うかつてない機会が生じていることを示している。

7.私は、プーチン元大統領下のロシアの政策を、信頼できる戦略的パートナー、とりわけ米国が好ましいパートナーであるが、これをもつことを追求していたことに特徴づけられると見ている。

8.ロシアと米国には、核拡散の問題のような、世界の核問題について指導力を発揮する特別な義務がある。

9.ロシア・ウクライナ間の問題については、両国が国際関係の性質をどのようなものと観ているか、がその根底にある。この問題で対立すれば、他の問題での進捗の妨げとなる可能性があるため、ウクライナの問題は棚上げにすべきである。

10.4月のソチ共同宣言は、米露両国の戦略的対話のロードマップである。これを実践するのは、米露両国の新政権である。

(出典⇒http://www.iht.com/articles/2008/07/01/opinion/edkissinger.php

2008年7月1日火曜日

AU強化(FT)

2008年6月30日付 FT紙コメント欄 ”Let the African Union set democratic standards”

テーマは、AUを強化せよ、という提言。強化されたAUの具体的なイメージも提示している。

*コメント*
【概略】では割愛したが、本稿には、「アフリカの経済はbooming である」との指摘がある一方、別の箇所で、「アフリカの民主主義はrecessionにある」という言葉が使用されており、意図的なサウンドバイトとして用いられてはいないが、さりげないだけによりいっそう印象深かった。

【概略】
1.アフリカ全体を通じて、リーダーシップの失敗が見られる。

2.真に重大な問題は、アフリカの人々が手にすることのできる、わずかで限定的な民主主義の制度に対して、アフリカの人々が信頼を失ってしまうことである。人々は、いっそう、部族主義や暴力、宗教的原理主義に逃げ場を見出すようになるであろう。

3.貧富の格差拡大や食料価格の上昇は、アフリカ大陸全体の問題である。これに対処する上で最も適切な道具はAUである。

4.AUをより有意義なものにするためには、AUの加盟条件として、民主主義について、及び、良き経済ガバナンスについての最低限の条件を設定しなければならない。アフリカ全体の最高裁判所、憲法裁判所のような、有効に機能する全アフリカの制度も必要である。

5.AUの憲章は、各国の主権を守るものから、アフリカの人々自身を守るものへと変更されなければならない。また、当初民主主義者であったのが独裁者に変身した政治指導者を弾劾するための透明な手続きも必要であろう。

6.行いの良い国家は報われなければならない。G8首脳会合では、AUに関しても、これに資金拠出し、強化するようにしてもらおう。

(出典は⇒http://www.ft.com/cms/s/0/22a2637e-469d-11dd-876a-0000779fd2ac.html

欧州ミサイル防衛(WP)

2008年7月1日付 WP紙社説 ”Last-Minute Missiles”

テーマは、ブッシュ政権が推進する欧州ミサイル防衛施設建設について。次期政権に任せよ、と主張している。

*コメント*
歴史的遺産を残すことに執心するブッシュ政権にブレーキをかけようとするWP紙の冷静な批判の一つである。

【概略】
1.米国務省は、ブッシュ大統領任期満了以前に、ポーランド及びチェコとミサイル防衛施設についての合意を結ぼうとしている。

2.問題は、同ミサイル・システムを用いれば、北ヨーロッパと米国をイランからの攻撃から防衛することができる、ということを国防省が証明していないのにもかかわらず、ブッシュ政権がポーランド及びチェコとの合意を結んでしまおうとしていることである。

3.特にポーランドとの交渉には問題がある。ポーランドは、合意を結ぶことを強く望んでいる政権末期のブッシュ政権の足元を見て、米国から最大限の利得を得ようとしている。

4.本件は、次期政権に任せたほうが良い。欧州ミサイル防衛システムが有効である旨が証明されうるとすれば、同システムを建設することは有意義かもしれない。しかし、ブッシュ政権は、「なにがなんでも欧州ミサイル防衛建設推進」という態度を止めるべきである。

(出典は⇒ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/06/30/AR2008063001968.html )