2008年7月10日木曜日

ダルフールにおけるジェノサイド (NYT紙 Op-ed)

2008年7月10日付 ニューヨーク・タイムズ紙 ニコラス・クリストフ記者 Op-ed ”The Pain of the G-8's Big Shrug”

【概要】
1.日本で首脳会合を行っているブッシュ大統領とG8の指導者は、ダルフールについて責任ある態度をとることから再度距離を置こうととしており、彼らは「ジェノサイドは国際関心事項としては過大に評価されすぎている」旨の議論を無言のうちに受け入れている。

2.ジェノサイドの犠牲者の数は、他の問題(飢餓、疾病、貧困、エイズ等)よりも少ないがゆえに、それらよりも優先順位が低いという議論は一貫しており、正当なる議論だ。しかし、真実は、ジェノサイドはこれまで常に巨大な恐怖であり続けてきたし、そのことは犠牲者の数とは無関係だ。ホロコーストが問題となるのは、6百万人のユダヤ人が殺害されたためではなく、一つの政府が、宗教的伝統を理由に人々を選別し、彼らを抹殺しようとしたからである。 アンネの日記の事件が恐ろしいのは、一少女の死ゆえというより以上に、国家の犯罪であるためである。

3.ジェノサイドの問題の優先順位が高いことについて、より実際的な視点からの議論もある。すなわち、ジェノサイドは報復と人間の追放のサイクルを生み出すことから、飢餓や疾病などよりもはるかに不安的化する力があるからである。

4.G8首脳会合がダルフールのジェノサイドについて集団的に距離を置いたことは後々まで汚点となろう。

5.来週の月曜日(7月14日)には国際刑事裁判所の検事がダルフールに関連して逮捕状を請求することが予定されており、同検事の過去の発言からして、バシール・スーダン大統領に対するジェノサイドを理由とした逮捕請求となるかもしれない。そうであるとすればこれは歴史的一歩であり、今後も推進してゆくべきことであろう。

(出典は⇒
http://www.nytimes.com/2008/07/10/opinion/10kristof.html

0 件のコメント: