2014年1月20日月曜日

『国際メディア情報戦』の感想

高木徹著 『国際メディア情報戦』(講談社現代新書 2014年)を読んだ。『ドキュメント戦争広告代理店ー情報操作とボスニア紛争』の著者なので期待して読み始めたが、期待以上だった。

本の中で多くを語ってはいなくても、国際メディア情報戦に日本がどのように参戦すべきか、という
問題意識があるような気がする。

ボスニア、米大統領選挙、ビンラディン、対テロ戦争、アル・カーイダのケーススタディを行い、最後に、国際メディア情報戦を戦う上で日本の有する資産(とハンディキャップ)を検討している。

特に印象に残ったのは2点ある。


一つ目は、米国で銃乱射事件が起きたときに、銃規制を望む人々に、銃規制の行き届いた日本
の治安の良さをそっと教えて、彼らの主張の補強材料を提供しつつ、彼ら、特に米国テレビ・ニュースの大アンカーを通じて日本の良さをアピールする、というようなことが国際メディア情報戦でやるべきことだという旨の指摘。


もう一つは、あとがきのあとがき。国際メディア情報戦を戦う上で、日本は、中国と比較して、世界の価値観を共有しているという点で有利だが、将来、中国がもし民主的になって、メディア活用に秀でた指導者が現れたとき、日本はどうするのか、という問いの投げかけ。


日中間で靖国神社参拝をめぐる情報戦真っ最中なだけに、刺激的な読書時間を堪能した。